「ドラッカーを理解できる、キーワードとポイント」:04「技術とは何か」
第4弾:技術編「テクノロジストの条件」を参考に書いていく。
まずこの本は「何の本か」と言う所から
言わなければならない。
私は「技術の本」のつもりで読んでいた。
しかし、そんな小さい話ではなかった。
もっと凄いスケールの大きい、話だ。
見出しの順に書いていく。
最初は、
「技術の歴史と技術がダイナミックに世界を変えた事」
が書いて有る。
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「日本の読者へ――なぜ技術のマネジメントが重要なのか」
西暦0100 皇帝カエサルの時代のローマ帝国に、水利、道路、軍事の技術革命が花開いた。
(灌漑技術)
西暦1500 近代技術は一五世紀の半ばに活版印刷とともに生まれた。
西暦1600 16世紀後半の次の技術革命では、最古の雇用である農業が変わった。
西暦1700 わずか200年のうちに、西洋による世界制覇を可能にしたものが近代技術だった。
西暦1775 近代企業は1775年、蒸気機関を製造したジェイムズ・ワットとマシュー・ボールトンの会社から始まった。
西暦1800 1800年ごろには蒸気船、
西暦1829 1829年には鉄道、
西暦1840 1840年には郵便、同じく
西暦1840 1840年には光学機器と電信が続いた。
西暦1940 1940年代半ばには、コンピュータが高速の計算機を超えるものであることを認識した。
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その次は「技術がもたらす色々な知覚的な話」だ。
これが「ドラッカーの技術感」なのだ!
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プロローグ 未知なるものをいかにして体系化するか
・現実はモダンを超えた
・全体は部分の総計か
・因果から形態へ
・目的論的世界観
・新たな哲学
・われわれが必要とする体系
・進歩からイノベーションへ
・かつて変化は破局を意味した
・イノベーションのコンセプト
・未知なるものの体系化
・ひらめきと体系化
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ここからが「技術のもつ、可能性・機能性」のことだ。
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Part1 文明の変革者としての技術
1章 仕事と道具
2章 古代の技術革命に学ぶべき教訓
3章 近代を生み出したものは何か
4章 IT革命は産業革命になれるか
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ここは「人間が仕事として行ってきた、
技術(者)のマネジメント」だ。
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Part2 技術のマネジメント
5章 知識労働の生産性
6章 ベンチャーのマネジメント
7章 つくるだけでは終わらない――製造の新理論
8章 技術をマネジメントする
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ここは「新技術を意識的に生み出す
(イノベーション)テクニック」の解説だ。
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Part3 イノベーションの方法論
9章 方法論としての起業家精神
10章 イノベーションのための組織と戦略
11章 既存の企業におけるイノベーション
12章 イノベーションの機会はどこにあるか
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ここはもう「技術を離れた、ドラッカーの未来への世界観」だ。
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Part4 世界観の転換
13章 分析から知覚へ
14章 知識の意味を問う
15章 ポスト資本主義社会の到来
エピローグ インタビュー「新技術は世界をどう変えつつあるか」
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全体を通すと、
ドラッカーでなければ、
解釈、解説、書けない代物だ。
私は、今まで疑問に思ってきたことのほとんどが、
この本で、「目から鱗が剥がれ落ちた」ように、
すっきりした。
「やっぱりそうだよね」って感じだった。
例えば
「技術、技術者」
「技能、技能者」
「絵画技術、絵画技能」
「工芸技術、工芸家」
の区分って、日本では、曖昧だ。
しかし、この本の中で、
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・技術とは「もののつくり方」である。
・技術の目的は「限界の克服」ということになる。
・技術とは「もの」を超えたものである。
・技術とは人問のための人問の活動である。
・技術とは仕事にかかわることである。
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これを読んだ、私の解釈は、
・技術とは「生身の人間の限界を克服させた物とその作り方」となった。。。
もう一つ、大いに気になったのは、
「イノベーション」の解釈だ。
最近「イノベーション」って言葉を
皆口に出すようになったが、
その話の内容を聞いていると、
「ドラッカーの本を読んでないのは、丸わかり」だ。
おおよそ、この本の内容とは、違う意味のことを言っている。
部下からすれば、いい迷惑だ。
きっと
「言われたまま、自分の解釈」
で、言っているのでろう。
ぜひ、「技術に関わる人」は勿論、
「技術に関わらない人」も、
「ドラッカーの世界観・未來感」と
今後起こるであろう「ドラッカーの予測?」を
比べて頂きたいものだ。