満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:69 手品教室 「2012年80歳」
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満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:69 手品教室 「2012年80歳」
85歳の母親が書く、満州引揚者の半生
・母親が出版した「縁と運」の概略
(2013/8/1 初版)
朝日新聞の読者投稿欄の「ひととき」と「声」に投稿し、掲載された70編を「縁と運」と題して出版した。
本には、林恭子の生き方や思いが人生の縮図として描かれている。
・この本の問い合わせ
絶版につき受付終了
この本に関しては、私、林 宏(息子)に問い合わせて頂きたい。
連絡先(090・6613・4068)へ。
69 手品教室 「2012年80歳」
毎年、学年末になると、地元小学校で「マジシャンになろう!」という催しを開いている。
私が小学校二年生に手品を披露し、その中から簡単なもの一つだけ覚えてもらう催し。
「できた!」と、うれしそうな子もいれば、うまくいかずにあせっている子もいる。
できた子には教えるやさしさを、できない子には、しょげずに「教えて」と言える勇気を持ってほしいと願っている。
終わると、2、3日あとに、子供たちが書いた感想文が送られてくる。
今年、ひとりの男の子から「林さんは、おばあさんなので体に気をつけてください」と書いた感想文が届いた。
舞台衣装は、黒のシルクハットにロングドレス。
ばっちりきめてもやっぱり年寄りに見えるんだなあーーと、ちょっとさみしかった。
そんな思いを、ふと、友達に話した。
すると「きっとその子は、おじいちゃんや、おばあちゃんと住んでいて、いつもやさしく声かけをしているからだと思うよ」と言われてはっとした。
私こそ、もっと素直な気持ちになれれば。
その子が小さいうちから、自然と思いやりを育てている、と思うとちょっと涙がにじんだ。