州引揚者:林 恭子:『縁と運」:62 「一口残」の心やっと知った 「2007年75歳」
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満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:62 「一口残」の心やっと知った 「2007年75歳」
85歳の母親が書く、満州引揚者の半生
・母親が出版した「縁と運」の概略
(2013/8/1 初版)
朝日新聞の読者投稿欄の「ひととき」と「声」に投稿し、掲載された70編を「縁と運」と題して出版した。
本には、林恭子の生き方や思いが人生の縮図として描かれている。
・この本の問い合わせ
絶版につき受付終了
この本に関しては、私、林 宏(息子)に問い合わせて頂きたい。
連絡先(090・6613・4068)へ。
62 「一口残」の心やっと知った 「2007年75歳」
三月の中旬、北陸ツアーに夫婦で参加しました。
一番気になっていた「一口残」という言葉を書いた扁額を探して、サクラが満開の金沢・兼六園を歩きました。
10数年前にツアーで訪れた際に、この言葉を知りました。
兼六園近くに額を所蔵している館があると聞いていたので、本当の意味を知りたいと思い、今回、寄ってみようと思ったのです。
でも、なかなか見つからず、通りかかったタクシーの運転手さんに尋ねると、「県美術館にあるはず」と言われた。
が、その時は、もう時間もなく、そのまま帰りました。
自宅に戻って電話をすると、兼六園横の「成巽閣(せいそんかく)」に保存されていることがわかりましたので、そちらに電話をして「一口残」のいわれを教えていただきました。
その話しでは、加賀藩主前田利家公が、故老に長寿の秘訣をとうたところ「何事も腹八分目に納めよ。欲張ってはならぬ」と論され、この教えを「一口残」として、世渡りの戒めにされたということです。
これで、長年、胸につかえていたものが取れ、ほっとした次第です。