満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:51 観客は私だけ映画館の感動 「2004年72歳」
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満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:51 観客は私だけ映画館の感動 「2004年72歳」
85歳の母親が書く、満州引揚者の半生
・母親が出版した「縁と運」の概略
(2013/8/1 初版)
朝日新聞の読者投稿欄の「ひととき」と「声」に投稿し、掲載された70編を「縁と運」と題して出版した。
本には、林恭子の生き方や思いが人生の縮図として描かれている。
・この本の問い合わせ
絶版につき受付終了
この本に関しては、私、林 宏(息子)に問い合わせて頂きたい。
連絡先(090・6613・4068)へ。
51 観客は私だけ映画館の感動 「2004年72歳」
映画「『アイ・ラブ・ピース』二十日から上映」の予告記事に妙に心惹かれた。
車で行けば十分ほどの距離だが、電車にした。
少女時代に1年半通った女学校があった名鉄西尾駅で下車。
周囲を見回したが変わり果てて見当がつかない。
3人の方に西尾劇場の所在地を聞いた。
「もやってないのではーー」という返事ばかり。
やっと「あれかな」と教えられたのは、遠目にも古びた昔風の映画館。
芝居小屋のようだ。
切符を買って入ると、館主らしい男性が照明のスイッチを押した。
座席には150ほどか。
客は私一人。
寒い。
ひざ掛けを持ってくればと悔やんでいると、暗がりからお盆に熱いお茶のサービス。
驚いたが、心も体も温かくなった。
そしてベルが鳴った。
地雷で片足を失ったアフガニスタンの少女と義肢装具士を目指す聾者女性の交流が描きだされる。
聾者役の女優の手話が美しい。
少女の「アイ・ラブ・ピース」は心の底からの願い。
一人でも、観に来て良かったと思った。