満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:49 二人がかりでマジック披露 「2004年72歳」
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満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:49 二人がかりでマジック披露 「2004年72歳」
85歳の母親が書く、満州引揚者の半生
・母親が出版した「縁と運」の概略
(2013/8/1 初版)
朝日新聞の読者投稿欄の「ひととき」と「声」に投稿し、掲載された70編を「縁と運」と題して出版した。
本には、林恭子の生き方や思いが人生の縮図として描かれている。
・この本の問い合わせ
絶版につき受付終了
この本に関しては、私、林 宏(息子)に問い合わせて頂きたい。
連絡先(090・6613・4068)へ。
49 二人がかりでマジック披露 「2004年72歳」
月一回、老人保健施設でのお楽しみ会で、手品をする日がやってきました。
まず私の挨拶から。
「みなさん、今夜は十五夜、お月見ですね。でも、少し空模様が心配です。実は私、お店をやっていて、お月見団子をいっぱい支度したんです。
雨が降ると売れないでしょう。だからもう心配で。。。」
「それからもう一つ、心配があります。これです」
私は、包帯を巻いた、右手の人さし指を見せました。
「ケガしてとても痛いので、この指を使うときは、司会の先生に手伝ってもらいます」
その時がきました。
新聞紙の上にコップを2個伏せて、新聞紙ごとひっくり返します。
あら不思議、落ちるはずのコップはなぜか落ちません。
よく見ると、コップの中にはシルクが入っています。
先生の耳元で「静かに引いて」とささやく。
「ハイ」と、緊張の息づかい。
コップは、新聞紙から落ちるに、シルクだけ出てきて大拍手。
二人三脚の手品は、成功しました。
返りの玄関で「ありがとう。また来月ね」
すると先生「今度は、私一人でやってみたい」
「う、う~ん。。。。」