満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:17 「残留孤児」という呼び名はやめたい「1987年55歳」
Contents
満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:17 「残留孤児」という呼び名はやめたい「1987年55歳」
85歳の母親が書く、満州引揚者の半生
・母親が出版した「縁と運」の概略
(2013/8/1 初版)
朝日新聞の読者投稿欄の「ひととき」と「声」に投稿し、掲載された70編を「縁と運」と題して出版した。
本には、林恭子の生き方や思いが人生の縮図として描かれている。
・この本の問い合わせ
絶版につき受付終了
この本に関しては、私、林 宏(息子)に問い合わせて頂きたい。
連絡先(090・6613・4068)へ。
17 「残留孤児」という呼び名はやめたい「1987年55歳」
中国残留日本人孤児の来日調査は、今回で一応の区切りをつけるとのことですが、私は「孤児」という呼び方をあまり好まない、というか、何か適当ではない気がします。
それは、あるわずかな時期は孤児であったかもしれませんが、たとえ養父母であったにしても、成長するまで育ててくれた人がいたら、もう孤児ではない、と思うからです。
しかし、それでもなお、孤児と言い、孤児と呼ぶのは、捨てた、捨てられた、というような思いがあるからでしょうか。
でも、世の中にこうしての親はいない、と思います
外地で敗戦に遭った親たちは、あの極限の状態において、わが子の命がわずかでも永らえることを願って預けたに違いありません。
また、日本人の子をかくまっていることがわかると迫害を受けるなど、中国の人たちも大変な苦労であったという話しを聞きました。
私は14歳で引き上げてきましたが、中国に残された人も、子のしあわせを願った親の気持ちを思って、誇り高く生きていただきたいと思います。
そして、「孤児」という呼び名が早急に改められるよう、願っています。