満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:08 おしめづくり中止の思い 「1984年51歳」
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満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:08 おしめづくり中止の思い 「1984年51歳」
85歳の母親が書く、満州引揚者の半生
・母親が出版した「縁と運」の概略
(2013/8/1 初版)
朝日新聞の読者投稿欄の「ひととき」と「声」に投稿し、掲載された70編を「縁と運」と題して出版した。
本には、林恭子の生き方や思いが人生の縮図として描かれている。
・この本の問い合わせ
絶版につき受付終了
この本に関しては、私、林 宏(息子)に問い合わせて頂きたい。
連絡先(090・6613・4068)へ。
08 おしめづくり中止の思い 「1984年51歳」
先日、東京の島田療育園からお電話がありました。
それは「この度、園では水道事情、その他により洗濯物を廃止してリースに切り替えることになり、従っておしめを園で用意しなくてもよくなりました。
それでおしめづくりを一時、中止してください」というお話し。
思ってもいないことで、少しびっくりしました。
昭和35、6年ごろ、俳優の伴淳三郎さんが熱心におしめづくりを呼び掛けておられました。
私もそのころ、島田療育園の初代園長小林提樹先生の「この子らの命を支えることは万人の命が守られている、ということです」というお言葉に感動して、おしめ作りを始めたのです。
最初は自分一人でしたが、多くの善意を集めることに意義あると考え、農協の有線放送などのご協力で、周りの人たちに呼びかけました。
長い間には問題が起きて、迷ったり悩んだり、けれど休むことなく、年に一回3、40人の方が参加して、もう20年余り続けてきました。
5年ぐらい前に、島田療育園を訪ねたところ、重度の心身障害者がいるこの園では、1日に何千枚も要るということで、そのための労力もまた大きな問題ということでした。
それが、今はこうしてリースでやれるようになったなんて、福祉も次第に充実されてきたかと思い、喜ばしいのですが、さて、おしめづくりが中心なると、私たちはこれからどうしたらいいのか。
おしめづくりをするその気持ちは変わらないのですが、世の中が進むにつれ、その気持ちの表し方も変えていかねばならないのか、と思ったりしています 。