満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:65 ペルー人の結婚式に招かれて 「2007年75歳」
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満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:65 ペルー人の結婚式に招かれて 「2007年75歳」
85歳の母親が書く、満州引揚者の半生
・母親が出版した「縁と運」の概略
(2013/8/1 初版)
朝日新聞の読者投稿欄の「ひととき」と「声」に投稿し、掲載された70編を「縁と運」と題して出版した。
本には、林恭子の生き方や思いが人生の縮図として描かれている。
・この本の問い合わせ
絶版につき受付終了
この本に関しては、私、林 宏(息子)に問い合わせて頂きたい。
連絡先(090・6613・4068)へ。
65 ペルー人の結婚式に招かれて 「2007年75歳」
12月23日、ペルー人の結婚式に招待された。
お祝いをどうしようと考えた。
ペルーでは、品物だそうだが選ぶのが難しいので、お金にした。
考えたあげく、のし袋に”おめでとうございます”と書き、私の漢字の名前にはふりがなを付けた。
服装が、黒のロングドレスにした。
車で迎えに来てくれた花嫁の両親が「オカアサンステキ」と言ってくれたので、ほっとした。
式の間、いろんなことが思い出された。
兄弟姉妹8人が、日本へやってきたのは、15年ほど前。
私の家に来て「フジモリ」と言うので「ペルー」と聞くと「ヤー」と、うれしそうに頷いて、パンを買っていった。
それからスペイン語のにわか勉強を始めた。
日系三世でも、就職や、住まい探しには、日本人の保証人が必要だった。
私は、アパート探しや、仕事のお願いについて行ったが「外人はだめ」と冷たくあしらわれ、日本人として恥ずかしい思いをした。
でも、ペルー人の花嫁とブラジル人の花嫁の共に四世のパーティーで、大勢の人たちに「オカアサン、ヨクキテクレマシタアリガトウ」と言われ感動した。