満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:06 自作朗読の「声の物語」「1983年50歳」
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満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:06 自作朗読の「声の物語」「1983年50歳」
85歳の母親が書く、満州引揚者の半生
・母親が出版した「縁と運」の概略
(2013/8/1 初版)
朝日新聞の読者投稿欄の「ひととき」と「声」に投稿し、掲載された70編を「縁と運」と題して出版した。
本には、林恭子の生き方や思いが人生の縮図として描かれている。
・母親の略歴
昭和7年6月8日、東京で生まれた。
父が大型バイク「ハーレーダビッドソン社」の奉天(現・瀋陽)支店長だった。
このため3歳から一家で奉天へ移り住んだ。
戦後、14歳で旧満州から引き揚げ、16歳で結婚し、手作りで焼いたパン店を開業。
・この本の問い合わせ
絶版につき受付終了
この本に関しては、私、林 宏(息子)に問い合わせて頂きたい。
連絡先(090・6613・4068)へ。
06 自作朗読の「声の物語」「1983年50歳」
昨年十一月、私は、日本放送出版協会募集の「放送小説」に応募するため、物語を書きました。
これは、ぜひ文字にしたいと願っていた私の自分史で、題は「五拾の物語」です。
規定の原稿用紙300枚以上というのは、大変でしたが、清書を手伝ってくださった、Iさんはじめ、多くの方々の励ましに支えられて、締め切り日に応募できました。
残念ながら入選は叶いませんでしたが、多くの方々のご厚情はかけがえのない宝になりました。
それからもうひとつ、お店にいらしたお客さまの話しから、点訳の仕事が、とても難航していることを知り、思いついて私の物語を自分で朗読してテープに入れました。
そうしてみると、私たちは、何か書いたものを読むとき、文字が見えるので理解が速いのですが、音声だけ聞いていると意味のわかりにくいことが多くあることに気がつきました。
ですから録音する時は、例えば発音を明確にするなどの注意が大切だと思いましたが、350枚を朗読すると7時間になります。
それに、思わず胸がいっぱいになり、声が詰まったところもあって、未熟な「声の物語」になりましたが、安城市の盲人会にプレゼントさせてもらいました。
しばらくして「とてもよかったよ」などと電話をいただきました。
私と同じ旧満州の地で、戦争のため失明なさったとか、私の物語の中に、大陸で過ごした10年のこと、引き揚げのことなどがあるので「懐かしい」とのお声もあり、私もまた、この方々が強く生きておられることに感動いたしました。
このうえ願いますことは、お一人でも多くの方にテープをお送りして、私の物語を聞いていただきたいことです。
どうぞご一報くださいませ。