満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:54 私の話伝えた小学生に感謝 「2005年73歳」
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満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:54 私の話伝えた小学生に感謝 「2005年73歳」
85歳の母親が書く、満州引揚者の半生
・母親が出版した「縁と運」の概略
(2013/8/1 初版)
朝日新聞の読者投稿欄の「ひととき」と「声」に投稿し、掲載された70編を「縁と運」と題して出版した。
本には、林恭子の生き方や思いが人生の縮図として描かれている。
・この本の問い合わせ
絶版につき受付終了
この本に関しては、私、林 宏(息子)に問い合わせて頂きたい。
連絡先(090・6613・4068)へ。
54 私の話伝えた小学生に感謝 「2005年73歳」
習い覚えた手品を、老人ホームで披露することになって久しいのですが、最近は小学校の「ふれあいネットワーク」でも、マジック教室をやっています。
ひと通り練習がすんだあと、私は、生徒さんたちに少しお話しをします。
内容は、戦後60年ということもあって、終戦当時、旧満州で起きた残留孤児の問題です。
私自身は、家族と共に引き上げてきましたが、多くの子供たちが、中国の人たちに助けられて、育ててもらいました。
しかし、つらい思いをしたのは残留孤児だけではありません。
日本人の子を養っているという理由で、村八分になった中国の人もまた、つらい思いをしてきたのです。
この私の話しを聞いた、ひとりの女の子が、中国の人はやさしいと思ったこと、戦争は絶対にしてはいけないこと、戦争をなくすには、人に優しい気持ちを持つこと、物を大切にすることなどに気づいたと言います。
そして、なにより私がうれしく思ったのは、その思いを新聞に投稿して、大勢の人に伝えてくれたことです。
安城市の6年生の女の子、どうも有難う。