満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:13 善意を集める有線放送「1985年53歳」
Contents
満州引揚者:林 恭子:『縁と運」:13 善意を集める有線放送「1985年53歳」
85歳の母親が書く、満州引揚者の半生
・母親が出版した「縁と運」の概略
(2013/8/1 初版)
朝日新聞の読者投稿欄の「ひととき」と「声」に投稿し、掲載された70編を「縁と運」と題して出版した。
本には、林恭子の生き方や思いが人生の縮図として描かれている。
・この本の問い合わせ
絶版につき受付終了
この本に関しては、私、林 宏(息子)に問い合わせて頂きたい。
連絡先(090・6613・4068)へ。
13 善意を集める有線放送「1985年53歳」
農協の有線放送のテーマ音楽が流れて、テープに入れた私の声が聞こえてきました。
それはおしめづくりのお願いです。
要旨は――私たちはお互いに多かれ少なかれ、悩み事や、心配事がりますが、ふと思いを変えて、もう治る望みのない重い病気の人たちを考えてみると、自分の悩みなど、なんと「ささい」なことかと思われます。
そう気がついたときに、私たちができる何かをしなければ――。
そんな気持を寄せていただいて、このおしめづくりが、もう、20余年も続けられているのだと思い、ありがたい気持ちでいっぱいです。
古いおしめでもよろしいのですし、浴衣などをほどいて縫って下されば、なおうれしい思い。
お寄せくださったおしめは、東京にある「全国重度心身障害児(者)を守る会」に送らせていただきます。
1日に3回、二日間ほど放送してもらうと、間もなく「もう、そろそろかと、用意していました」と、届けてくださる方、「うちのおばあさんには、紙おむつを使うから。。。」と、おっしゃる方など、いずれも、思わず胸がいっぱいになるお話しばかりです。
ところで、私も店をやっているので、人気とりの慈善行為ではないか、と悩んだこともありましたが、自身にそんな心がなければそれでよい、と思ったりします。
また、例えば赤い羽根の戸別割り当てなどは、あまり気持がよくないように、どんな善い行いでも押し付けてはいけない。
でも、できるだけ多くの人の善意を集めたい、という願いは、このように有線放送を利用させていただくことで叶えられ、本当に感謝しています。